女達の戯言
「それでなんだけど……
こうして結婚も決まった事だし
そろそろ僕たち一線を……」


「えっ……。」


「あっ、その無理にとは言わないんだ。
だって、もう僕たちは一生を
共にする訳だし、何も焦ってって
事は無いんだけど……」


「ええ…………。」


「美佐子さん、僕は君を心から
愛しています。
だからーーー君の全てを僕は
欲しいのです。」






美佐子は迷っていた。と言っても純太郎との結婚の事ではなく、純太郎と所謂、大人の関係になることを迷っていた。勿論、美佐子も真面目で心優しい純太郎を愛していた。この人となら一生を添い遂げられる。そして何より純太郎との子供も欲しいと願っていた。が、しかしーー

美佐子には美佐子の段取りがあった。容姿端麗の美佐子。学生の頃もかなりモテていた。にも関わらず、誰とも付き合わなかったのは全て結婚相手に捧げたいからだ。真新しい自分を愛する人とのその時にあげたいと願っていたいたからだ。そうその時とはーーー






初夜だ。
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