女達の戯言
夏の暑さは男と女を狂わせる
とかって言うけどーーー






すっかり冷えきった男と女がここに
いるんですけどねぇ………。






「ねぇ……どっか飲みにでも行く?」


「んー、いかねぇ。
そんな元気も金もねぇ。」


「あっそ、じゃ、もう帰ってよ。
ヤることヤったんだし
用はないでしょ?」


「ホイホーイ、相変わらず淡白だよね。
まっ、それくらいが気楽で良いわ。」


そそくさとベッド周りに転がっていた
服を着るとそいつは帰っていった。
一度も私の顔を見ることなく。


「はぁ……。
もう、会うのやめよ。
そんなに体の相性も良くないし。
無駄にしつこくてうんざりよ。」


私はベッドからユルユルと起き上がると
細くて長いメンソールを
一本口に加え火を点けた。


自分一人になった部屋に
煙草の煙がユルユルと天井に向かって
伸びてゆく。


私はゆっくりと、煙を細く吐き出した。





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