放課後は、図書室で密会




「……っ……わ、わか…たくん……」


顔は涙でぐしゃぐしゃになっている。


環方くんは……驚いてるのかドン引きしてるのか分からない……。



「……なんで泣いてんの?」


「その……小説が……泣けて……。」


「……小説……。」



環方くんは私が持っている小説を一瞥した。



ああ……。
これはどう見ても引いてますね……。



何で環方くんがこんなところに!?

環方くんに見られるなんて最悪!




いや!でもでも、環方くんなら
『小説で感動できるなんて純粋だね。』
みたいな優しいことを言ってくれるはず!


勝手な妄想なんですけどね……。




「おい」


「は、はい!」


「そこ邪魔。どいて。」


「はいっ、って……え……」



環方くんを見上げると、不機嫌そうに私を見下ろしていた。




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