放課後は、図書室で密会




私は掴まれていない方の手で環方くんをポカポカ殴る。


「痛くないから。」


環方くんは私をギュッと抱きしめた。



「環方くんっ」



グイグイ押すが、びくともしない。



「で?次は?」


「しない。しないもん!」



窓から爽やかな風が吹き込んだ。



環方くんが体を離し、両手をそれぞれ私の手に重ねる。



ふざけてるのかと思ったけど、

今まで見たことがないくらい真剣な目で私を見ていた。



「……環方くんは私のこと好きじゃないくせに……。」


「何度も言ってるだろ、好きって。」



そんなの……


冗談だと思ってたのに……


違うの……?






本当に……





環方くんは私のこと好きなの……?





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