恋人遊戯
明らかに敵意のある対応なら、普通の対応を取れるんだけども…。
「に、29? うわぁ!! 凄い歳が離れてるのね」
「…はぁ…」
何とも言えない苦々しいものが込み上げてしまい、思わず眉を潜めてしまう。
確かに私を中心にして考えて見れば、兄さんも香輝も歳が離れ過ぎなんだろうね。
「…素敵なお兄様に格好いい彼氏…。全くうらやましいわ」
どこからか、嫌味とも取れるセリフが聞こえた。
…ぁ…この間の…。
「櫻井さんって、本当にサクライ貿易会社の子供なの?」
「…………ぇ…」
ギクリと、ぎこちない感じに体を強張らせて、声がした方を見ればそこにはこの間、私の髪を切った先輩たちだった。
私は恐怖で体を凍らせたまま、少しパニックになっていた。