恋人遊戯



私が傷付かない人形だとでも思っているのだろうか…。





だとしたら最低だ。


私だって人間だよ…傷付く事だってあるし、笑う事だって…たまにだけどあるのに。
ヒドい…ヒドすぎる…。



…さっきまで悲しいって思っていた感情が治まって、私の中には怒りが込み上げてきていた。



「…はぁ……里莉…見っけた」


図書室の扉が開いたかと思ったら聞こえてきたのは、先輩だった。





…何で、ここに先輩が来るのよ…。






「…里莉。こっち向いてくれないか? 聞きたい事があるんだけどさ」


私も、聞きたい事がある…けど聞くのが怖い。


「里莉、こっち向けよ」


怖い…。



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