恋人遊戯
でも、怒りも込み上げてきて、もう私の中ではどうしようもないぐらいグチャグチャな感情がかき混ざって、収拾がつかない。
「…………先輩…。わ、私も聞きたい事、あるんで、す…。………………私の事……賭けをしてたんですね…」
一気に先輩の空気が凍り付くのが、見なくても分かってしまい、私は余計に落ち込んでしまった。
…あぁ…。そっか…、落ち込むくらい私、先輩の事がいつの間にか…好きだったのか…。
悔しい…。
すでに私の負けは決定じゃない。
「……何も知らない私をからかうの、楽しかったですか?」
持っていたカバンの蓋を開けて、中を漁った私はボロボロになった財布を取り出して、中にあるお金を先輩に差し出した。
「…………何だよ、これ…」
「今、手持ち3万しかないんですけど、明日にはもう3万持ってきます」
合計6万円。
先輩とその友達が会話していた時の事を思い出して、私はその配当される金額を言うとより一層、先輩を取り巻く空気が凍り付いた。
図書室に来てから私は、一度も先輩の顔を見てない。