恋人遊戯
どうして…。
こんなの卑怯だよ。
「…や、めて…」
「………イヤだ!」
拒否られて、再び唇を荒々しく塞がれてしまう。
「ぅ、んう…ぅ……」
勘違いしちゃダメだよ里莉。これは先輩の罠なんだから…。
…でも、優しいキス…。やっぱり…先輩も、私と同じ気持ちなのかな?
そんなはずないよ。だって、先輩は女関係がだらしないんだよ?
…自分の中の二つの声が私をより悩ませる。
それが、葛藤。
やめて…。
もう、これ以上、私を悩ませないで…。
「…………何をしている……」
先輩の声とは違う声が私たちに呼び掛けた。
けど、その声に私は弾けたように先輩から離れた。
声の主を確認した私は、頭のてっぺんから血の気が引いて行くのが分かる。
「……ど、うして…」