恋人遊戯
おまけに、弁当を作って欲しいってメールを送ってからは、昼休憩になるのが楽しみになってた。
だけど、ある日。今は夏真っ直中のあの日、何で長袖…? って、思ったよ。
しかも袖から出ているのは、手の甲まで覆う包帯が見えている。聞くにも、その事に触れないほしいってオーラが漂っていたから、黙っていた。
食べ終えた弁当箱を里莉は自分の弁当箱と袋に入れている後ろ姿が何とも言えず、ゾクリとしてしまった。
聞こえは悪いかもしれないけど、母性的なモノを感じてしまい後ろから抱き寄せた。
あれから、俺と一緒にいる時は髪を下ろしようにしているから、ピトってくっついてみれば頬にサラサラの髪が、気持ちいい。
今まで、付き合った事のある女の髪が、こんなにサラサラな奴なんていなかったからスゲェ、以外。
おまけに、抱き締めた瞬間ビクって驚いて可愛かった。
怖いの? って聞いたら、さっきよりも硬直して耳まで真っ赤になっている。
…この時に気付けばよかったんだ…。やり過ぎた事に。
俺を振り払って立ち去った里莉が、少しイラッとしてしまったけど…。