恋人遊戯
その後から来た同じクラスの女が、盛って来たんだよな…。
もちろん、イライラの治まらなかった俺はその女の誘いに乗った…けど、けど、何もなかったんだ!
…まぁ、キスはしたけど…。
あの時、里莉の弁当が入った袋を見なかったらヤバかったけど、罪滅ぼしって訳じゃないけど靴箱の場所だけは知っていたから袋を入れて教室に戻ったさ。
……けど、その後が大変だったんだ。
里莉が授業を途中放棄って話が学校中を駆け巡っていた。だけど、話はそれだけに止まらなくって俺もその話を聞かされた時には、驚いた。
周りの奴等には「騙されていたのはお前の方か?」って冷やかされたのにはムカついたけど「違う!!」って、言いたかったけど俺ってそれほど里莉の事知らなかったな…って改めて実感した。
だって噂話が余りにもエゲツなかった。
『愛人の子』とか『実の兄貴と出来ている』とか、他にも聞くに耐えられない事ばっかり聞かされた。
苛立つ中爆発しそうになった俺ん中に、里莉が弁当を褒めた時のハニカンだ笑みが忘れられなくて、それが好きだって事に気付いたんだ。