恋人遊戯
こんなフワフワなベッドで寝た覚えがあまりない…。ベッドの上に視線を走らせて、私はギョッてして目を見開いた。
「…先輩……」
小さな呟きは、先輩には届かない。私を抱き締めるように腕が上半身に乗っていたみたいで…。
穏やかな寝顔…。初めてみる先輩の寝顔に思わず見とれてしまう。
ベッドの頭辺りに目覚まし時計と私の眼鏡が置かれていた。
時計の針は、朝の6時を指したばかり。夏に近いせいか、辺りは日が上っている。
ふと、ベッド下の方を見れば…先輩と私の服が散乱してて…昨日の情事があった事を表していた。
一気に恥ずかしさが込み上げてきたけど、ゆっくりと…先輩を起こさないようにベッドから下りて自分の服を手繰り寄せて、素早く着替えた。
体のあちこちが筋肉痛のように痛みが走るけど、私は嬉しくて…少し悲しい痛みだった。