恋人遊戯
「里莉ちゃんね。ま、座ってよ。コーヒー、紅茶、ミルクどれがいい?」
「ああぁのぅ…。お気に為さらないで下さい! もう、お暇しますので…」
喋り出すと止まらない人とは知らなかった。
これ以上、ここにいたら先輩が起きてきちゃう。それに…。
「あの子なら、昼ぐらいまで起きないわよ。かなり夜まで起きてたじゃない?」
かぁ…。
顔が熱い…。ま、まさか…部屋の外まで聞こえてたなんて…。
「あら、図星? どの部屋も防音がきいてるから、当てずっぽで言ってみたんだけど当りか」
「う……」
「……ねぇ。里莉ちゃん、レージの事好き?」
「え?」
いきなり問われている事が分からずに、目をパチクリとしてしまった。
差し出されたマグカップを受け取ってしまい、帰るに帰れない状況になってしまった事に、今更ながら後悔する。