恋人遊戯
持ち物から身に着けるモノはすべて白を統一…徹底している。
身を屈めて、そのサンダルをはこうとした瞬間、下腹部に小さな痛みが走った。
…イタイ…。
…ごめんなさい…。
もう、何度目か分からない謝罪を心の中で呟いている私って、かなり馬鹿かもね。
兄さんの後をついて歩いて、車に乗り込むと門の方が騒いでいる事に気付いて顔を上げれば…。
「里莉!!」
ハッキリと、私の方を見て先輩が名前を言った。
それよりも、私は何でここに先輩がいるのかが理解出来ない。
オートロック式の門だから壊れる事はないけど…、先輩の必死な形相が諦めかけた想いが甦りそうになる。
…ダメ…、忘れなきゃダメ…。