恋人遊戯


…え。………ぇ、え?






今、先輩は何て言ったの?



子供…? 何で…。た、確かに昨夕は先輩といた。…恥ずかしいけどネました…。



避妊…と、言われてしまったら…よく分からないと、言うか…余り覚えていない。





カァ…って、顔が熱くなって、私はどうすればいいのか分からなくて、ただオロオロとするばかり。




けど、それも束の間で…掴まれたままの腕が、ギリッと痛みが増したかと思うと、兄さんが私の方を睨んだかと思ったら、左頬が火がついたように熱くなった。




「…そこまで愚かだったとはな…」



「兄さん…」



「まぁ、出来ていれば堕すだけだ。お前は、さっさと出て行け!!」






兄さんの怒鳴り声は、今まで聞いた事がなくて、私はただただ恐怖でその場で小さく振るえるだけ。








だって、初めて見たんだもの…。



兄さんの悲しそうで苦しそうな目を。


何でそんな目をするの? …やっぱり、私が劣った行動をした事が許せなかったの? どうしたら、許してくれるの…。







やっぱり……墜らすしかない…の?



< 175 / 283 >

この作品をシェア

pagetop