恋人遊戯


私が起きているなんて気付いてない兄さんたちは、そのまま部屋を出て行った。



それを気配で読み取った私は、体を起こして混乱した頭を抱えた。




血が繋がってないって…私だけ?



半分とかじゃなくて、一滴も?



じゃ、何で…私を引き取ったの?



分からない事ばかりで…でも兄さんに直接聞く事なんて出来ない。絶対に適当な事を言われて上から押さえ付けられちゃう。





訳の分からなくなった私は、兄さんの顔をまともに見れないと思ってそのまま病室を飛び出した。






廊下には幸いにも誰も居らず、人通りの少ない所を歩いて外に出る事が出来た。





病室には靴も鞄もなかったから、今の私は本当に着の身気ままって状態。



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