恋人遊戯
それでも私はお構いなしに病院の外に飛び出した。
雨が降りそうな空模様でも、今の私には気にしない。
裸足だろうが何だろうが…。
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どこをどう歩いたのか分からない。
気付けば昔、お母さんと一緒に暮らしたアパート跡に辿り着いた。
何もなくなった所は、何もなくて土が均されている状態で、駐車場とも言えない。
お母さんが自殺した後、ほとんど誰もいなかったアパートはすぐに取り壊されたと聞いても、一度もここには来た事がない。
来てしまえば、昔の私に戻ってしまう。
それが呪いのように私は来れなかった。来たら何かが終わってしまう…そんな恐怖があった。
全身、ずぶ濡れの私はユックリと空き地溶かしたアパートに足を踏み入れた。