恋人遊戯



「太一君…」




「んな顔すんな。ちゃんと話してやるから…風邪ひいたら、イヤだろ?」




そう言って、あらかたふいた私をお風呂場へと押しやった。






**********






お風呂から上がったら太一君のジャージを着て、フローリングをペタペタと歩き出す。




「…太一君…」





「…………分かってる。何から話せばいいか、ちょっと悩んでた」




滅多に吸わないタバコを咥えて、深い溜め息を吐いて私の顔を見つめる。





「俺、お前の顔が伯母さん似で良かったって思ってる」




「…そう? あんまり記憶ないけど、お母さん…私の顔見て、あいつと同じ目で見るなって言ってたよ?」



その瞬間を見逃さなかった。私の顔は、どうやら見た事もない父親似らしい。



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