恋人遊戯
お母さんにが怒鳴りながら私を殴るのは大抵、父親を見たてていたから。
今更ながらお母さんの行動が、ホンの少しだけ分かる。
「そっか…、記憶にあったんだ」
「あったって言うか、今、思い出した」
そっか…と、視線を逸らす太一君の様子がよそよそしく感じてしまう。
「太一君…。太一君は、私の従兄弟だよね? それとも…」
「従兄弟だ!」
煥発入れずに帰ってきた太一君の答えに、私はホッとした。
親戚達にイヤな顔をされていた中で、唯一、私と年齢が近い太一君が心配そうに見ていた。
でも、太一君も親戚達に盾突けるほど大人ではなく、ただ見ていただけだった。
そうこうしていた時に兄さんが現れて、私を引き取ってくれたんだ。
「兄さんとは…本当に、血が繋がってないの?」
「…………あぁ…全くの赤の他人」
「……どうして、兄さんは…お父さんは、私を引き取ったの? 血が繋がってない赤の他人の私を…」
そう。それが一番聞きたいの。