恋人遊戯
生前、父親が女の子には母親の名前を一時使って、男の子には自分の名前を一字使うんだと言う事を聞いていた私は、お前の名前を二人の名前から一字ずつ使い、二人の事を忘れないで欲しいと思いながらつけた。
里莉を見る度に、私の頭には二人の顔が未だに離れない。
私の子として、お前には色々と風当たりがキツい事にはなる事は分かっているが、他のどこかにいく事も不安だった。
ならば、自分の手元に置いて、本当に幸せになった時に、私は彼らから開放されるのではないかと考えている。
お前は私の前や歩望の前に出ればオドオドしているが、そんな気負わなくてもいい。
お前はお前らしく、明るく育って欲しいんだ。
結婚したい人が現れたら、見極めてやれないのが私には心残りだ。その役を歩望に譲ってやるのも正直、悔しいと思う。