恋人遊戯
「礼子さん。結婚するんだよ。……相手は何と、俺の父親…。…なんか俺、ビックリしたよ。一度別れたって聞いてたから、どこでどう再び、くっついたんだか…」
呆れながらも、ちょっと安心したように話す先輩に、私も事の成り行きをただ見守るだけ。
「だから、あのマンションじゃ俺の居場所ないんだよな。マスコミは来るし、新しいっつーか…父親、が来るから、さ…。里莉さんのアパートに一緒に住まさせて下さらない?」
「…はぃ?」
突然の先輩からの申し出に、私は驚いて何も言えなくなる。
この人は、いきなり何言っちゃったりしてるの? 私と一緒に暮らしたいって…。
「…ま、マジで?」
「チョーマジ!!」
目を細めて笑う先輩に、私はいつの間にか逃げられないように両手でガッチリ腰を掴まれていた。