恋人遊戯
私はそんな先輩の背中を、ジッと見つめていた。
「……何?」
「ぇ…あ、いぇ…何でもないです」
頭の後ろに、目でもあるんじゃないかって言うぐらい驚いた。
先輩と一緒に住むようになって、もう一週間もたつ。
あさみさんは、予告通りにマスコミに結婚と子供の事を発表して、その先輩は避難も含めて私の小さなアパートにいる。
一緒に住むようになって分かった事がある。先輩は、家庭的なご飯が大好きみたい。
この間なんて、アジの味噌煮込みを作ったら、凄い喜んでくれたモノ。
やっぱり、自分が作ったご飯を美味しそうに食べてくれるのは、凄く嬉しくて作りがいがある。
「…だから、何?」