恋人遊戯
「礼子さんは、俺を産むまで本名の樋高あゆみで芸能活動してたんだ。だけど、芸能人になるのが嫌気をさしてた時に俺が出来て、一時期テレビに出なかったんだよ。んで、20歳前にまたテレビに出るようになった時に樋高礼子になったんだ。…分かる?」
「……経緯は…」
「だな。…俺も自分の母親が礼子さんだって知って、家族とも微妙な空気だった
時に、親父が教えてくれたんだ。
あ、親父ってのは養父。俺の叔父な。『遠くにいても礼司と一緒で、側にいたいから』って、言われたんだ。…言われた時にはこっぱずかしくてさ~…今もハズいッ!!」
頬を少し赤らめて照れる先輩が、何とも言えず可愛いって思える。
思わず、小さく吹き出したら先輩が私を睨んでいた。
「…ぁ…ごめんなさい…」
「…里莉…。それ、今度からナシな」
「………?」
「謝るのは、本当にワルい事をした時だけ。それ以外に謝ったら、ペナルティだかんな」
「ぺ、ペナルティ…?」