恋人遊戯
「あの…あのー…ね? 願掛けだったの…。香輝の病気が治って、髪を切ろうって…思ってた」
まさか、こんな風に切っちゃうなんて思ってもみなかった。
「…そっか…」
ナデナデ。
頭を撫でられてしまい、ちょっと…かなり動揺してしまう。
先輩に頭を撫でられる度に動揺してしまって、思わず目を瞑って顔を俯いてしまった。
…だって、慣れないんだもん。頭なんて撫でられた記憶ないから、緊張してしまう。
「そー言や、明日だっけ? 兄貴たちがアメリカに行くの」
「はい…」
あれから兄さんにバイトは行かなくていいって言われてしまい、正直何もない毎日をゴロゴロとすごすのも不健康に思う。
今までなら香輝がいたから、バイトがない日は病院へと足を向けていた。