恋人遊戯
「…里莉も?」
「はい。……私の作ったご飯を先輩が美味しそうに食べるのが嬉しいです」
あの、幸せそうな顔。あの、楽しそうな顔。「美味い!!」って言う顔が、私も幸せな気分になる。
相手が幸せそうにしてるだけで、こんなに私も嬉しくなる。
「俺は、里莉が俺だけに笑ってくれるだけで、幸せになる」
笑う先輩の顔が嬉しくて、思わずその頬に触れてしまった。
「………里莉…」
「先輩………」
近付く先輩の唇に、自分のそれを軽くだけど重ね合わせた。初めて、自分から仕掛けたキス。
ドキドキする。心臓がはち切れそうだよ…。
「…………ペナルティなし?」
さっき、強要されかけたペナルティの事を言ってみれば、先輩は少し視線を逸らして…頬を赤くして…? 少し気まずそうに笑った。
え? な、何? なんで笑うの?
…わ、私からのキスで、イヤになったのかな?
「……まさか、自分の首を自分で締めるとは思わなかったな…」
「…え?」
「里莉からのキスで、俺陥没しちゃった」
テレたまま笑う先輩を見て、感染したように私も恥ずかしいと思いつつも笑い出した。