恋人遊戯
「あ~。結花ちゃん先生、ダメダメ。葵はね~…和食がちょっと苦手なのよ~。家が和食派だから、家意外では洋食とか食べたいらしいの。里莉ちゃんもごめんね? 悪気がある訳じゃないから!!」
前半は神田先生に…後半は私に謝罪しながら、見事に茜先輩は葵先輩をフォローした。
見事だな~…って感心してたら、先輩も私のしか食べてなかった…。
「……先輩……」
「俺は里莉のしか、食べたくないな~」
鳥の唐揚げを頬張って、私に微笑む先輩に何て顔をすればいいのか分からなくて、自分の頬が熱くなりながらも視線を逸らした。
「そっちもかよ…」
「先生は、二人のばっかり食べ過ぎ~! 私が作ったのも食べて~?」
「………茜ちゃん…。食べて欲しいのなら、もっと腕を磨いてよ…」
溜め息混じりに香川先生が、私の作った佃煮を食べていた。
……そうなのだ…。茜先輩が作ったものと言えば、オニギリだけ何だけど…形がイビツで中に入ってる梅干しとか、オカカが所々はみ出てたりしてる。おまけに、塩の分量を間違えているのか…物凄く辛い…。