恋人遊戯
…先輩に…最初は嘘ではあったけど、告白を受けた時から私の行き方は180度変わってしまった。
けどそれは、嫌悪感とかではなくて…恐怖とも違って、イイ方へと転がっていって行く訳で…。
私の隣りでは、嬉しそうにご飯を頬張る先輩がいる。それだけが、私の喜びを…幸せを増長するものだった。
「あ。礼司、言い忘れてた。生活指導の小宮山がお前を呼んでたな?」
「はぁ? 葵、お前……何でそう言う事を早く言わないんだよッ!?」
小宮山先生は50歳代の口ウルサい先生で、生活指導の担当もしてる。
確かに先輩は3年生だから、小宮山先生に呼び出しを受ける事はあるかもしれないけど…最近、多くない?
「…あ~…面倒いな~…」
そう言いながら、私の頭をクシャクシャ! と、かき混ぜられてその場から立ち上がって、溜め息を吐き屋上を後にした。
その後ろ姿にどこか不安を覚える。