恋人遊戯
その4
樋高先輩たちが卒業して、2年の月日が流れた。
そして、今日は私は高校を卒業する。
卒業式と言えば、桜が咲き乱れる中行われる恒例なイメージがあるけど、残念ながら細雪がちらつく寒い日となった。
ふと思い出すのは、先輩の進路の事で大モメにもなったにも関わらず、本人は元よりご両親(この場合、先輩の伯父夫婦が正しい)も全く動揺した所がなくて、子供のやりたいようにさせてやりたい…と言っていた。
そのおかげで、先輩は誰よりも早く社会に出る事となった。
逆に私は高校卒業後の事、短大へ行く事に決めた。
栄養士か調理師の免許が欲しいからだ。先輩だけじゃなくて、みんなの笑顔でこんなにも自分の心が嬉しくなるなんて思ってもみなかった。
卒業式は、皆の啜り泣く中終わった。
「櫻井さん。一緒に写真撮ろ?」
「…うん」