恋人遊戯
ピピピピ。
どこからともなく聞こえてきた機械音に私は、それまで不機嫌に近かった気持ちが一気に浮上して、二つ折りの携帯を開いて祈るように内容を確認した。
この時が一番緊張する時…。
でも、一番ワクワクもする時…。
届いたのは一通のメール。このメールを待ち望んでいた私はイソイソとメールを開いた。
メールの内容と写真に、私は思わず頬を綻ばせてしまった。
「誰?」
あ、そう言えば先輩がいたんだ…。
「…何で聞くんですか?」
「そりゃ、俺が里莉の彼氏だし?」
…何で疑問形なんだろう…。
「先輩には関係ないと思います」
返ってきた返信メールに、送り返す事はせずに携帯を閉じてポケットに入れ直そうとした。
「ゃ、っ先輩!!」