恋人遊戯
「わ、私、誰とも付き合う気ないですから」
必死になって抵抗してる私だけど、正直言ってしまえば告白された事がイヤじゃなかった。
でも、自分でも分かってた。私がこんな風に告白されるような人間じゃないって事を…。
「…誰とも付き合わないって…。面白い事言うね」
うぅ…。近い、近いよぅ~…。
目をギュウ…。と、閉じて彼が去って行くのを待つだけだったけど…、何で去ってくれないのよ~…。
「…付き合う気、ない?」
その言葉に私は頷くだけ。首振り人形のように頷いて離れたかった。
「……へぇ~…。…じゃ、今日はいいや」
パッと離れてくれた先輩に私は、ホッとしてたから油断したんだ…。
痛いぐらい私の肩を掴んで、本棚に押しつけてきた。
「ッう…」
「絶対、俺のモノにするから…覚悟してて…」
先輩は、やっぱり笑顔だけど目が笑っていなくて…まるで狩を楽しんでる猛獣に見えた。