恋人遊戯



眼鏡越しに見えるドアップに一瞬…一瞬だけ、先輩のカッコイイ顔に見惚れてしまった。



それでも、ホンの一瞬だけどね。





先輩はそう言うと、私から離れて行った。

離れて行った先輩の後ろ姿を見ながら私は、その場にズルズルと座り込んだ。



噂では聞いていた先輩の事…。

女の子を選り好みして、真面にお付き合いしていないらしくて…その内、夜道歩いてて、後ろからグサリなんてありそうだと思っていた。




私は、地味な毎日に幸せを感じて過ごしていただけなのに…。

このまま、目立たず地味に卒業をするのが私の目標なのに…。


なのに、こんな事になるなんて…。


………やばい。こんな所を誰かに見られたら、確実に噂が広まって地味な生活なんて送れなくなっちゃう!



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