恋人遊戯
「え…?」
太一君の言っている意味が分からないまま、私は辺りをキョロキョロしたら…背中からクラクションが鳴り響いた。
「里莉!!」
聞き覚えのある声に、私が振り向いたら外国車の小さな車から顔を出して笑いかけてくれる太一君がいた。
「どーしたんだよこれ!? 酷すぎだろー? ……テメェがしたのか?」
へ…?
太一君の視線の先には…。樋高先輩がいたんだった…。
違うよ! って言いたかったけど、太一君は先輩の胸倉を掴んで…。
「だ、だめ!!」
思わず太一君の作った拳の前に出ちゃった。
「!!!!」
目の前に近付いて来る拳が、恐怖になって思わず目を閉じて衝撃を待つ。
………。