恋人遊戯
んん? い、痛くない?
そろ~…っと目を開けて見ると…、太一君が拳を寸前で止めていた…。
「………こん、の…バカヤロウ! 危ないじゃないかっ!!」
怒鳴りながら太一君が私の額にでこピンをした。
痛い! …た、太一君のでこピンは痛いわ…。
「………んで? こいつはお前の何なのさ…」
何だか、昔の曲に出てきそうな歌詞を言っていたように感じたけど、今はそれはあっちに置いといて…。
「ぇっと…」
「彼氏です」
勝手に言いやがって…。
恨めしくなった私は、先輩を睨むけど素知らぬ顔をして太一君を見る。
「…フ~ン…」
あぁ…。お願いだから太一君も品定めするように先輩をジロジロ見ないで~…。
…って、今度は私と先輩を見比べないでよ!!
「…ぁ、あの…太一君?」