恋人遊戯
「里莉、行くぞ。お前も来るか?」
「た、太一君!?」
太一君の言葉に私はただただ驚くだけで、先輩がOKを出さない事を祈るばかりだった。
「じゃ、お言葉に甘えて」
ニッコリと先輩は笑顔だけど、何だか怖い…。
太一君も…。
二人の間に挟まれた状態の私は、小さくなるばかりだった。
「里莉。お前は助手席な」
「…え?」
今まで、太一君の車に乗っても絶対に助席に乗せてくれる事なかったのに…。
「今日は特別だかんな?」
ベシッ!!
太一君の得意技。でこピンをくらってしまった。
「あたッ!!」
ボロボロになった私の髪を太一君は悲しそうに見つめた。