恋人遊戯
そして今日も、先輩のタメにお弁当を作ってる私って…飼い慣らされた犬って感じ?
いつもなら、裏庭に行くんだけど、今日は借りた本を返しに図書室に走っているの。
本当は放課後までに返せばいいんだけど、今日はバイトの日なのよね。
だから、返せる時間が昼休憩しなかったと言うわけ。
「あの、櫻井さん…ちょっと、いいかな?」
階段を上がってあと一階分を上がれば、図書室がある階に辿り着く所を背後から知らない男子に声を掛けられた。
「………私…ですか?」
「そう。…あの、今ってお付き合いしてる人がいるのかな?」
「……………ごめんなさい……」
「それって、付き合ってもらえないのかな?」
ダイレクトに言われた言葉に、私は思わず顔を赤らめて俯いてしまった。