恋人遊戯
私の頭って、どうにかなっちゃったんだろうか? 先輩とその友達の会話について行けないんだけど…。
「賭けに勝ったら俺たちに3万ずつ入ってくるんだぞ?」
「分かってるって! 言われなくても、櫻井里莉と寝たら終わりなんだからな」
…それ以上、聞きたくなくて…違う、これ以上聞いたら私はおかしくなる。確実に…。
脱兎の如く、その場から離れて誰もいない裏庭に辿り着いた。
「………や、やだ…こんな所に来たって、先輩から離れる訳じゃないのに…」
逆に、先輩が来るのを待ってる状態じゃない!
まさか、まさか…こんな事になるなんて…。
からかわれているとは思っていたけど、まさか……「賭け」だったなんて…。
あの時の優しさ、あの気遣いが私と言うオモチャがどう動くか楽しんでいたなんて…。
…悔しい…あんな人だなんて…そんなのに気付かなかった自分が悔しい。