あたしが恋した総長
過去


手紙事件から2週間が経った


今は学校が終わって


倉庫の幹部室にいる


今日は美奈もいるし、みんなとの話が弾んでいると


プルルッと電話が鳴った


優「ごめん、あたしだ。でていい?」


龍「あぁ」


ありがとう、と言って非通知の番号を見て


誰だろうと思いながら電話に出る


優「もしもし」


?「優梨か?」


その声を聞いた瞬間、体がゾワッとした


なんで、こいつが


?「黙ってないで答えろ」


ここにいたまま電話をするのは駄目だと判断し部屋を出て、倉庫の外の壁にもたれながら話を続ける


優「何の用なのよ。どうして番号……」


?「調べれば分かることだ。そんなことより家に帰ってこい」


優「は?なんで…絶対戻らない!!」


?「無理にでも連れ戻す」


そう告げてブチッと電話を切られた




絶望だった


あたしのこの世で一番嫌いなやつからの電話に


ただただ嫌で仕方なかった


内容も最悪だった


あんな家に戻りたくない


あいつの、実の父親のいるところになんて…!



しばらく壁に寄りかかりながら座り込み、考えた


あたしの父親は狂っている


何をするか分からない人だ


もし、あたしが言うことを聞かずに、あの家に戻らなければ、


あたしの大事な人たちが危険な目に合うかもしれない


優「……戻るしか、ないか」


頭の中が真っ白だ


そんな頭で、立ち上がり、幹部室に戻る





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