あたしが恋した総長



美「あ!優梨おかえりー!……どうしたの?」


優「ただいま!……あのね、あたし用事が出来たから帰るね」


出来るだけ笑顔で皆に告げた


今日でここに来るのも最後かもしれないから


鞄を持って部屋を出ようとするあたしに


龍「俺も帰る」


龍毅が立ち上がり、あたしの手を引いた


龍毅に話もあるし、一緒に帰ってくれて良かった





そして倉庫を後にしたあたしたちは


龍毅の家につき


あたしは龍毅の腕を掴んで


「話がある」


と言ってリビングのソファに座った


龍「どうした?なんかあったんだろ」


心配そうに俯いているあたしの顔を覗き込んでくる


その優しさに何回あたしは救われたかな


もう数えきれないよ


優「……龍毅。あたし、家に帰るね」


情けない


こんなときに声が震えるなんて


龍「優梨」


優「…な、に?」


龍「家に帰りたくないんだろ」


優「そんなこと、ない」


あたしのことをすべてお見通しなあなたにはやっぱり嘘はつけない


ついても意味がないね


龍「嘘つくな」


優「……」


なんで分かっちゃうの


龍「前に無理には聞かねぇって言ったけど、言えよ。お前の過去」


知ったらあなたは離れていってしまうかもしれない


だから怖くて口を開けない


あなたはもう、あたしにとっていなくちゃならない存在だから


あなたがいなくなってしまったら


あたしはきっと…………



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