あたしが恋した総長


渋々、足を進め、教室に入る


「自己紹介」


「ん。原野 優梨です」


「終わりか?」


「ん。」


「短けぇな~、まあいいか。席は窓側の後ろから2列目だ」


そう言われ、窓側の後ろから2列目に座る


「じゃ、HR終わり」


その言葉と共に、教室がざわざわし始める


そして数人の男たちが話しかけてきた


「原野って男いんの?」


でたよ、チャラい男

うざったい、この手のやつは無視すると

余計にめんどくさいから


「いないけど」


と棘を含ませた声で少し睨めば


「そ、そっか~」


とそそくさ どっかに行った


めんどくさ

そういえば、秀ちゃん

この学校はほとんど自習って言ってたな

テスト受けてれば上がれるとも言ってたし


秀ちゃんの言葉を思いだし、席を立ち

教室を出る

どこに行こうか、屋上か図書室かな

そんなことを思いながら足を進めた

あいつがいるとも知らずに




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