モデルの恋愛事情
「はい!次の撮影するよ~」
ちゃくちゃくと撮影は進み、順調に至る。
「じゃあ次は渉君!うさ美ちゃんに後ろから抱き着いて!」
はい!?
あたし、男に免疫ないんですけど…?
「えっはい!」
一瞬驚いたが、嬉しそうに返事をした渉君。
あたしは全然嬉しくないな~。
「撮影だから、許してね?」
そういってあたしに抱き着く彼からいい香りがした。
シャンプーのいい香り。
あたしの鼓動はどんどん早くなっていく。
「はい、オッケーです!」
「ありがとう、うさ美ちゃん!これ、メンズ雑誌の1ページ目に載るんだって!」
「へ…へぇ……」
ドキドキが止まらないままだから渉君の顔をちゃんと見れなかった。
「何?ドキドキしてんの?」
いきなり低い声で言われたからビックリした。
驚きのあまり顔をあげる。と、ニヤッと妖しい笑みを浮かべていた。
低い声…そういえば、学校案内をした時にも新君してたな…
男って皆こういうことするのかな?
って!なんでここで新君が出てくるの!?
「ドキドキなんてしてないよ」
してるけど、嘘をついた。
「男に免疫ありませんって表情してるくせに」
もう中学生とは思えない色っぽい顔にドキッと心臓が高鳴り、彼の瞳から離せなくなった。
「ハグの次は、チューな?」
色っぽい声で言われ、そのまま彼は去った。
チューですか。お前はプレイボーイか。
心の中でツッコミを入れた。