この手は、わたしだけの特権【短】
「そうか、それは良かった。で、優梨子は俺の傍にいてくれるよな?」
「えっ?りょ、凌ちゃんがいてほしいなら、いてあげてもいいけど…」
「そうか。なら、ずっと傍にいてもらっかな」
「ど、どうしたのよ。急に…」

急に凌太が変わった気がした。

今まで、そんなことなかったのに。

「んー?このシャンプーのせいだろうなぁ」
「へっ?シャ、ンプー?」
「そっ。この香りが俺を正直にさせたんだろうなぁ」
「なに、言ってるの…」
「まだ、わかんねぇか?」

そう言ってまた凌太は、優梨子の髪を掬い髪にキスをし、耳に口を近付けた。

「お前に、落ちたってことだよ」
「なっ…」

優梨子は、凌太の言葉に何も言えなくなってしまった。
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