風花


「え!?草部君、舞歌と間接キスしたの!?」
「…へ?」
「おいおい紡…。いくらなんでも手を出すの早過ぎじゃねぇか?」
「え……?」


なぜかこちらのクラスメート達は、反応が違った。
誰しもが驚き、俺に視線を送ってくる。


「流石渋谷から来ただけはあるわね。転校初日からもう間接キスよ」
「いや…」
「いいなぁ。舞歌ばっかり…」
「ちょ…」
「草部〜。ちょーっとあっちで話ししようかぁ?」
「ちょっ、ま…」
「草部君って遊び人…?」
「あんなに真面目そうな顔してるのにねぇ〜」
「人は見掛けによらないってことでしょ?」
「ああ、なるほど」
「ちょっと待てお前らーーーっ!!」


好き勝手騒ぎ、俺を非難するクラスメート達。

こうなることがわかっていたのか、一人ニヤニヤしている小悪魔。

俺がどんなに叫び否定しようと、それがかえって彼等を煽る形となり…


誰かが言った“学園生活のオアシス”は、“平穏”が伴って初めて“オアシス”になるんだと、俺は今日、身をもって、知ったんだ…
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