風花


俺が答えられるような質問なら、まだいい。けど中には、俺が興味がなく、知り得ないようなこと。男の俺が知るはずのないようなことまでもを聞いてくるやつまでいた。

そんな自分勝手な、俺のことをちっとも考えていない、自己欲の塊のようなやつらに囲まれ、俺はだいぶストレスが溜まっていた。

初めは苦笑いを浮かべながらも答えていた質問も、今では完全に無視している。

空気の読める“賢人”は俺を囲うのを止めそれぞれの昼休みを過ごし始めているのだが…


「ねえ!草部君!聞いてる!?」
「黙ってないで答えろよ草部!」


どうも、ここには“愚人”の占める割合が多いらしい。
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