風花
「みんな好き勝手に自分の意見を主張しすぎだよ!紡君はスーパーマンでも聖徳太子でもないの。答えられないこと、知らないことだってあるんだよ!?それなのに、さっきから紡君の返事も待たずに次から次へと好き勝手に質問して…。紡君、怒るに決まってるでしょ!?」
「…舞歌」
本気で怒っている、俺の為に怒ってくれている彼女、遠野舞歌の名前を、俺は思わず小さく口にしていた。
驚いた。かなり失礼な物言いではあるが、何も考えていないようで、実は、彼女はいろいろと考えていたから。
そして、それ以上に、上級生にまでも堂々と正論を言える舞歌の勇気に驚いたんだ。