風花


俺は人と関わりたくないと思っている。けど、それは、“今”そう思っているに過ぎない。もしかしたら、いや、おそらく、未来にはそう思わなくなる日がくるのだろう。

もし今キレていたら、そういう転機が訪れた時、そうれをすることが出来なくなり、俺は孤独に苛まれることになったのだろう。
そして、その時になって後悔しても、もう、遅いのだ。

舞歌は、それがわかっていたのだろう。
だから、俺のことを庇い、俺の未来を守ってくれたんだ。


――やはり不思議だった。

自分の未来を守るのなら話しはわかるが、他人の未来を守る人の心理が、俺にはイマイチ理解出来なかった。
何か裏があるのか、今の俺はどうしてもそう考えてしまう。


けど…悪い気はしなかった。
< 39 / 53 >

この作品をシェア

pagetop