風花


仮に理由があったとしても、彼女が今俺を守ってくれたのは事実。
こんなご時世だからこそ、そんな事実が嬉しかった。

だから、唐揚げくらいあげてもいい。そう思えたんだ。


「ん〜!やっぱり美味し〜い。あ、その厚焼き卵も貰うね」


そう言って、今度は、同じく最後の一つの厚焼き卵をさらっていく。

少し、いらっとした。厚焼き卵は、俺の好物だったから。
< 40 / 53 >

この作品をシェア

pagetop