風花
買い物に行こう

約束




「なあ、舞歌」
「ん?なあに?」


この学校に転校してきて二回目の金曜日。
本日全てのカリキュラムが終了し、荷物をまとめていた舞歌に俺は声を掛ける。


「あのさ、この辺…じゃなくてもいいや。ここから一番近くて、一番大きい総合店てどこだ?」
「総合店?」
「あー…。いろいろな店が中にある、でっかい店のことだ」


不思議そうな表情を浮かべる彼女に、俺は補足を加える。
俺が普通だと思っていることでも、こちらの人にしてみれば普通ではないことが多々ある。その度に説明をしなくてはいけないのが面倒臭いと思うのは、俺の我が儘なのだろうか。
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