強盗団は月夜に踊る
「なんか、嫌なんだけど…もう、コンビニ」

杏奈は素直に自分の不安感を笹川に伝え、払拭して欲しかった。

「どうした?杏奈らしくないな。気にするな、絶対に捕まらないから。捕まっても俺だけだ。死んでもお前らの安全は確保する。それは手を組む条件だったろ?」

「うん…そうだけど…」

「気にするな、コンビニも今回で終わりだ」

「そうなの?終わったら解散しちゃうの?」

「まさか。本当の目的はまだ先だよ。大体小銭稼ぎにもならないコンビニ強盗やるためだけに人を集めたわけじゃない。まぁ、詳しくはそのうち話すよ。とりあえず今夜9時いつもの場所でミーティングだ。連絡は頼んだぞ、杏奈」

「うん、OK!ボス!」

「ボスって感じじゃないけどな…俺は」

「そう?キャプテン?リーダー?主将?」

「笹川で…お願いします」

「はーい、じゃぁ、またね、笹川」

「おう、またな」
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