強盗団は月夜に踊る

カフェ・ビートル


ヨーロッパでは6月はあまり雨が降らない。晴れが多いので結婚式も多い。そのためジューン・ブライドなどという言葉がある。日本の6月は梅雨の季節である。ある意味最も月が出ない季節。

6月17日PM21:00
「カフェ・ビートル」

「カランカランッ」

いまだにドアに鈴をつけてドアを開けると音が鳴るようにしてある、古風な木造作りの喫茶店。

「いらっしゃい。もう、みんなそろっとるよ。」

「あ、マスター!また使わせていただきます!」

「あぁ、いいよ、奥の個室は誰も使わんし、第一そんなに客が入らんからなぁ、ハハハ…」

「はは…、じゃ、いつもの珈琲お願いします」

「毎度っ」

会話が終わると、笹川は奥の個室へと入る。側面に3人ずつの6人がけのテーブルに椅子が7脚。
左側面の真ん中と中央が開いていた。笹川は中央の椅子に座る。

「みなさん、お集まりくださりありがとうございます」

「今日は何するの?」

笹川の右にいる、いつも黒い革のジャケットを着てくる京子がウズウズしながら聞いてきた。

「今日はミーティングとコンビニ強盗、そして我々Moon Night Beatle結成以来の大仕事の計画についても少し話そうと思う」

話している笹川以外の全員が「大仕事」という言葉に反応した。

「超気になるな、大仕事」遼一ははしゃぐように言った。
< 12 / 19 >

この作品をシェア

pagetop