強盗団は月夜に踊る
「そんなお宝、モデルガンを突きつけたくらいじゃ奪えないわよ」杏奈が言う。
「あぁ、そうだな。がんばって計画しような、みんなで」
「え?」杏奈がきょとんとした。
「盗み方決めてあるんじゃないの?」京子が尋ねる。
「いや、決めてない。というか思いつかないよ、警備も凄いだろうしね。もし、そんな厳重警備をかいくぐる盗み方を思いついていたら、それをネタに小説でも書くよ、俺は」笹川が自信たっぷりに言った。
「はぁ~」杏奈はためいきをついた。
「なんでさ、コンビニ襲っているの?しかも、フィール・ファインを囲む円周上で」川瀬が久しぶりに口を開く。
「犯行予告だ。これくらい気付くくらいの刑事がいないとね、日本はもうだめだよな、ホントに」
「でも、それって危険が増すんじゃないの?」
「ふぅ~。川瀬、お前ルパン三世見たこと無いのか?」
「見たことくらいあるよ」
「銭形がいないと始まらないだろ?ルパン三世は」
「うん、確かに」
「そういうことだ」
「そういうことなの!?それでいいの!?」
「あたし不二子がいいな~」杏奈がはしゃいだ。