涙で育った赤い花
―修学旅行当日―
「気をつけて行ってこいよ。」


お父さんが学校の前に車を止める。


「はぁ〜い!行ってきまーす。」


3日分の荷物が入った大きな旅行用のバッグを肩から下げて正門をくぐる。


「波琉ぅ!おはよー!」

「由嬉、彩美おはよ♪…あれ?萌は?」


「まだ来てないよ〜。」

「そっか…。」


「ってゆうか、波琉…がんばれよ?」


「そうだ!がんばってね?あたし応援してるから!」


「はいはい〜。まっかせといてぇ。」
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